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【衆院選ガイド5】考えること、感情

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陸前高田の奇跡の一本松 これを書いているのは夜中ですが、日本ではいよいよ投票日当日を迎えました。 投票が未だの方は、投票よろしくお願いします。 1.自分の目で見て考えて判断する 今週一週間は僕にとっても色々な事を考えることができた、貴重な時間となりました。 正直言って、こういう政治の話をすることにためらいが無かった訳ではありません。特に日本においては酒の席とかでも政治の話をする人間ってどちらかというと場の空気を読めない奴、と見られがちで、話をしたとしても自分も含めて聞きかじりの情報を頼りに議論するのであまり生産性が無かったりします。 実際に情報というのはどこまで行っても信用がならないものでもあるし、また、ひとつの情報に対して様々な解釈というものも存在します。 なので今回は僕の得た情報の紹介というのは最小限に抑えて、その分、自分の目で見て考えて判断する、という非常に労力の要る、しかしとても大事だと考える点を強調したつもりです。 でも今度はその判断基準は何だという問題が出てきます。それはその人の価値観だったり世界観だったりによって大きく変わってくる所かもしれませんが、例えば僕なんかは「それは特定の一部の人間ではなく、国民全体にとっていい政策かどうか」というバランスをなるべく意識して判断するようにしています。 そうは言っても僕自身、自分の判断に確固とした自信があるわけではありませんし、常に自問自答を繰り返しています。完璧な答えというものに辿り着くのは不可能に近いかもしれない、でも近づこうと努力することはできると思います。 そういった意味でも、今回のように言葉を使って人に何かを伝えるという作業は、大変ではあったけれど、その過程で色々な気付きがあって、自分自身かなり勉強になりました。同時に、自分はいかに「知らないのか」ということにも気づかされました。 あと個人的には一つの記事を書くのは一枚の絵を描くのと同じくらいかそれ以上のエネルギーを必要とするということも分かって、これも表現の一つなのだというのが実感としてあります。 2.感情を煽る人たち もうひとつ大事だなと感じたのは、こういった政治の話を論じる時、安易な感情論には気をつけた方がいいということです。 人間は感情の生き物で、感情というのはとても大切なの

【衆院選ガイド4】優先順位と消去法

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写真は今年の5月に撮影した気仙沼の様子です。 僕がノロノロと更新をしている間にも、選挙日が明日に迫ってきました。 書きたいことは他にも山程ありますが、なかなか思うように筆が進まないという歯がゆさがあります。 さて、ここまで来て薄々気が付いていたのですが、今回の記事にはどの位の人が付いて来ているのでしょうか。自分で読み返してみても、ああ文章がなげえなあと思うわけです。この文章を読んでくれている人がいるなら、それだけで既に十分政治に関心がある方なのだろうと思います。 「ああ何か難しくて面倒くせえ」と投げ出すのは簡単で、「原発反対、他のことは知らない、終了!」で思考を打ち切るのも簡単なんですよね。 しかし政治っていうものは相当複雑な世界なので、おいそれと簡単に語ることが出来ないのも事実でして、そこにジレンマがあったりするんですよね。僕も政治に関する知識はネットで集めているだけなので大したことはありませんが、それでも知れば知るほど、政治は奥が深くて容易ならざるものだと思い知らされます。 気を取り直して本日のメニューです。 4.入手した情報からどうやって判断するか 5.投票したいと思える政党、候補者がいないという苦しみ ちなみに、今回は内容の性質上、僕の意見、考えが多分に含まれていますので、その点も考慮した上でお読みいただけたらと思います。 4.入手した情報からどうやって判断するか 前回までで、必要な情報はどこにあるのか、僕なりに考えたものをご紹介しました。ここではその情報を元にどういった判断ができそうかを論じて行きたいと思います。 この章ではさらに3つの項目に分けて考えてみます。 ①耳障りのいい言葉には要注意、実現性がどこまであるのか ②その政党が政権を取ったらどうなるかを想像する ③政策には優先順位がある ①耳障りのいい言葉には要注意、実現性はどこまであるか 「言うは易し行うは難し」。 これはこの3年間の民主党政権で僕達が散々思いしらされたことなのではないでしょうか。 財源はあると言って大風呂敷を広げたマニュフェストであったけれど、蓋を開けてみれば、麻生政権で散々切り詰めた後だったので埋蔵金はどこにも無く、計上された予算は自民党時代よりも増えてしまっていました。沖縄にある米軍の基地

【衆院選ガイド3】選挙に求められる姿勢

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(題名を【衆院選ガイド】に変更しました。) 一日空いてしまいました。 このペースで選挙の日までに終わるか不安になって来ましたが、駆け足で参りたいと思います。 さて、前回は大手新聞社やマスコミから提供される情報について、その危険な側面を指摘しました。 それでは選挙に臨むにあたって、僕たちは何を基準に政党や候補者を選ぶことが出来るのかを具体的に考えてみたいと思います。 そこで、本日のメニューです。 1.どうして選挙に行かなければならないのか 2.僕たちが選挙で選ぶのは、政党と政治家 3.信用できる情報はどこにあるのか それではひとつずつ考えていきましょう。 1.どうして選挙に行かなければならないのか。 まずは候補者選びの前に、そもそもどうして選挙に行くべきなのでしょうか。 その理由はいくつか考えられますが、ここでは投票率と組織票の関係から論じてみたいと思います。 選挙というのは僕たち国民の思いを政治家に託す行為である訳ですが、ご承知の通り、現実には組織の力が大きく、とても大きく影響しています。各政党ごとに支持母体というのがあり、それは労働組合であったり、農業団体であったり医師会であったり、宗教団体などいろいろありますが、その規模の大小はあれど、影響力は強大です。特に経団連などは平気で政治に対して圧力をかけてきます。 各政党はそういった組織に支えられて、常に一定の議席数を得ている訳です。組織に属する彼らはいつの選挙においても組織としての動員がかかっているので、高確率で選挙に行きます。そして組織の意志として支持する政党に投票をします(もちろん全部が全部そうだとも言えないでしょうし、また、組織として支持政党を変えることもあります)。 個人的には、組織票と年配の方の票はかなり重なっている部分があると考えています(年を重ねるに従って何かの組織に属する可能性が高くなるので)。 それと別に、組織に属していない者として、個人の票と言うのは「浮動票」、もしくは「無党派層」という呼ばれ方をしています。そして毎度の選挙の際にマスコミは「浮動票がどう動くか」や「無党派層の取り込み次第」などと言って組織と個人を分けて報道しています。 そしてこの組織に属さない人たちは、特に若者や主婦層に多いと思うのですが、政治には信

【衆院選ガイド2】マスコミ・報道機関についての考察

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0.お断り 最初に断っておきますが、本記事はマスコミをいたずらに誹謗・中傷するのが目的ではありません。 また、これから僕が述べる内容は、主に政治・経済に関する報道におけるマスコミ論なので、その辺りを考慮して読んでいただければと思います。 僕たちの日本は民主主義国である以上、一人一人が独立してものを考え、議論をしていく必要があり、そのためには、マスコミからの情報を鵜呑みにせずに、そこから少し距離を取ることが必要であると僕は考えます。 1.インターネットとマスメディアの違い どうしてマスコミの情報はそのまま鵜呑みにしてはいけないのでしょうか。 それは、マスコミは残念ながら公正・中立の立場で報道を行っていない可能性が大だからです。 ・インターネット 僕は海外に住んでいるので、日本に関する情報はインターネットから得ています。もちろんご存知の通り、インターネットにも問題が無い訳ではありません。能動的な分、自分の好みの情報ばかりに目が行ってしまう危険性もありますし、気をつけて付き合わなければいとも簡単に情報に振り回されてしまいます。(突き詰めて考えると、そもそも情報というものにはどこまで信頼がおけるものなのか、という問題にぶつかります) ただ、インターネットのいい所は、良くも悪くも個人が情報を発信ができるので、マスコミに比べて、自分が望みさえすればひとつの情報に対して様々な角度からアクセスが出来るということです。お陰で僕もテレビでは絶対に取り上げられることの無い意見や考え方、情報をインターネットから受け取ることが出来ています(繰り返しますが、僕のこの記事もその中のひとつの考え方に過ぎません)。 それに比べてテレビや新聞はどうでしょうか。 ・マスメディア(テレビ、新聞等) 例えばあるテレビの報道番組において、コメンテーターと呼ばれる人たちが出ています。専門家と呼ばれる人が出ています。解説員という人が出ています。 この人たちはどういう基準でもって選ばれているのでしょうか?当たり前のことながら、インターネットのように、自分で出演を希望しても、局の方から依頼が無い限りその願いは叶いません。 また、新聞において、社説を書く論説委員という人がいて、記事を書く記者がいます。この人たちは当然その新聞社の人間です。

【衆院選ガイド1】選挙について考える

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本日ベルリンの日本大使館にて投票をしてきました。 今日のベルリンはあいにくの吹雪でしたが、よく考えたら吹雪の中を歩くのは随分久しぶりになるので、秋田の冬を思い出しながら、しんみりした気分に浸っていました。 国政選挙については、僕のような海外在住の人間も申請さえしておけば参加が出来るようになっていて、こちらは日本の投票日よりも一週間早くなっているようです。 こうして僕の選挙は終了した訳ですが、日本ではこれからが本番なので、今回は、僕なりに整理した選挙におけるポイントを紹介し、皆さんが投票する時の参考になればいいなと思います。 僕が選挙について書く理由 そもそも僕が今回どうしてこういう記事を書こうと思ったかと言うと、マスコミから発せられる情報があまりにも偏っていたり、または印象論をことさらに強調していたりしていて、このままでは投票の参考にならないどころか、そのままの情報を鵜呑みにするとむしろ判断を誤らせてしまう恐れがあるという危機感を持ったからです。 そして選挙において判断を間違えるとどうなるか、この3年間の民主党政権の中で、僕たちはそれを身にしみて経験したと思います。 平気で嘘をついたり騙した政治家ももちろん悪いのですが、さらに非難されるべきは、その時の「政権交代」や「コンクリートから人へ」という耳障りのいいスローガンに雰囲気でもって踊らされた僕たち自身なのではないでしょうか。 そういった反省も踏まえて、今回の選挙では少なくとも僕たち一人一人が、その立候補者と政党に対して、自信と責任を持って一票を投じることが出来るようになればいい、というのが、僕のささやかな願いです。 選挙に参加するにあたって注意するべき点はいくつもありますが、その中でも重要だと考えられるのが、以下の2点です。 1.マスコミからの情報は基本的に疑ってかかる 2.最低限必要な情報は自分の目で確かめる そしてその先に、各政党、各立候補者が何を主張しているのかを具体的に見ていく必要があると思います。 次回からはその内容について言及していきたいと思います。 続きます