右腕が夏を知らせる

草アレルギーを持っているけど、毎日のように公園に出かける。 一口に公園と言っても、ここテンペルホフ公園は元々空港だったこともあり、386ヘクタールもある大きな公園。 大きな大きな滑走路跡がこの公園の特徴だが、敷地のほとんどは草原となっている。 そして所々に小さな林があり、小さな丘があり、そのまた所々にポツリポツリと木が立っている。 木陰を覗いてみると、空手の組み手をしているひと、ヨガをしている人、犬とゴロゴロしている人、ピクニックをしている人など、皆それぞれ思い思いの事をしている。 腕に蜘蛛が探検しにやってきた。 風に揺られて葉っぱ同士がスリスリしている音が心地いい。 その葉っぱの隙間からチラチラ照らす陽の光。 キュウーキュウー 今まで聴いた事の無い鳥の声。 さっきは蜘蛛、気づくと今度はアブラムシが親指に。 生ぬるい風とひんやりした風が交互に体を撫でて行く。 てんとう虫。 右腕が冷える。 夏が来たんだ。 石塚智寿 http://www.tomohisa54.com/