その先へ



案内が随分と遅くなりましたが、4月より開催している展示のお知らせです。
(以下、ウェブサイトに載せたものと同じ内容になります。)
http://www.tomohisa54.com/jp/event/201604_Weitervorwaerts.html


約一年振りの展示となる今回は、新作8点+旧作2点を公開しています。

前回の展示以降、日本への一時帰国がありました。そして南フランスのアルルでの滞在を機に、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの作品と言葉(書簡集)にどっぷりと浸かる日々を過ごしました。彼の影響で、デッサン教室に2ヶ月ほど通いました。そんなこともあって、僕は昨年あたりから風景画を描くことに興味が出てきています。

今回の展示では、まだ風景画を描く準備が整っていなかったので、これまでと同じように、自分の内面から、混沌の中から出てくるものを捉える方法で制作を行いました。心の中では風景画に気持ちが少し傾いていたものの、一度制作を始めると非常な緊張感を持って画面に向き合うことができました。

また、今回新たに感得したことがあります。それは、混沌の中からジワジワと浮き上がってくる何かに対して、自分にとってより心に響くものを選べるようになったことです。これまでは、何か形が見えるだけで興奮して、すぐにそれを選んでいたと思います。しかし、繰り返し制作している内に、段々とその興奮も小さくなってきて、物事を冷静に見ることが出来るようになってきたのだと思います。(でもやっぱり「いいもの」に出会えたらすごく興奮します。)

さはさりながら、制作はいつも順調に行くとは限りません。混沌の中でいくらもがいても何も見えないこともあります。そういう時は、取りあえずの形を決めて、そこからああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら進んで行くしかありません。中途半端で不愉快な時もありますが、ここで更にもがいて失敗したとしても、その失敗の解釈の仕方次第で、それは新しい道につながることが多いのです。

 とまあ、自分としてはその時その時で満足の行く作品を作っているつもりで、今回も制作の過程で作品も自分の少しだけ成長できたと感じているので、あとは第三者であるお客さんがどんな反応をするか、それを見るのが楽しみです。

7月2日まで。






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