デッサン教室 その一

ゴッホや小林秀雄の話が一向に進まない中で、また新しいことを始めたので、忘れないうちに書いておこう。

思うところがあって、9月、10月とベルリン市が提供している、市民向けのデッサン教室に通ってみた。ドイツではフォルクスホッホシューレ(Volkshochschule、辞書の訳語では「市民大学」。以下VHS)というシステムがあり、そこでは一般市民向けに色々な講座が開かれている。仕組みとしては、まず講座を開きたい講師がいて、VHSに登録をする。それを見て受けたい人が一定数集まると、講座が開催される、ということのようだ。

今回僕はデッサンを習いたかったので、VHSのウェブサイトで初心者向けの講座を探し、試しに受講してみた。 毎週月曜日の18時から21時の全7回。最後の回は体調が悪く、作業に全く集中出来なかったため、載せる作品がないのだが、それ以外のデッサンをここで順次掲載していこうと思う。

第一回目

 

今回のデッサン教室は、中年の女性画家によって開かれたもので、受講者は僕を含めて5〜6人。少ない分、一人一人をきちんと見てくれるのでよかった。前述した通り、僕が受講したのは初心者向けのものだったので、僕以外絵描きは一人もいなかった。僕自身、これまでデッサンについて、基礎的な何かを学んだ経験はない。

デッサンする対象は主に静物。上の絵が最初に描いたものになるが、手が思い通りに動かない感じがよく表れていると思う。これでも一生懸命描いたのです。


これはデッサンではない。二枚目は静物から一旦離れて、幾何学模様を適当に描いて、それを線で繋いでみなさい、ということだった。最初は鉛筆だけだったが、講師から木炭や墨汁を渡されて、自由に描いていいということだったので、色々な画材を試させるためのものだったのだろう。

一枚目の不自由な感覚に苦しんだ後だったので、僕は水を得た魚のように、好き勝手に描いた。何もない所から描いていく、やはりこういうやり方が自分には合っている、と改めて感じた。


そして三枚目は再び静物を描く。ここでは対象の高さ、太さ、距離感などを、鉛筆を使ってどうやって把握するかを教わった。そこで分かったのは、対象を3次元でなく、2次元で見ようとする視点が必要になる、ということだ。考えてみれば当たり前なのだが、絵は2次元なのだから、3次元のものを2次元化することが求められるのだ。デッサンとはほとんど関係のない、主たる自分の作品にこれがどう生きるかは分からないが、これはこれで新鮮な発見だった。



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